なごやっくす(Twitter@omairi_dash)です。
虎渓山永保寺(岐阜県多治見市)の貴重な文化財である、国宝開山堂を見てきました。
このページに、永保寺開山堂の「概要・歴史」「建築様式の特徴」「場所(境内マップ付)」をまとめておきます。
- 永保寺開山堂が建立された時代は?
- 開山堂と観音堂の違いが気になる…
- 開山堂が建っている場所を知りたい!
といった場合などに参考にしていただければと。
さっそくいきますね。
現地案内板のふりがなによると、読み方は「かいさんどう」。お参りするまで、ずっと「かいざんどう」だと思っていました…!
永保寺開山堂とは【時代など】
永保寺開山堂(国宝)
永保寺開山堂は、文和元年(1352年)頃に足利尊氏が建立したといわれる、室町時代初期の代表的な建築です。
正称は「僊壺堂(せんこどう)」で「無相堂」とも呼ばれます。
お堂は礼堂(昭堂)・祠堂・相の間の三部構成です。
祠堂には、永保寺開祖 夢窓国師(夢窓疎石)と開山 仏徳禅師(元翁本元)の木造坐像を祀り、その背後には、仏徳禅師の遺骨を納めた宝篋印塔が安置されています。
礼堂扁額
また、礼堂正面の桟唐戸上には「僊壺堂」、祠堂正面には「無相」の扁額が掲げられています。
堂内には、歴代の古位牌群(多治見市指定文化財)も祀られているそうですよ。
永保寺開山堂の特徴は?
開山堂礼堂。奥に隠れるカタチで祠堂が繋がっています
- 礼堂(外陣):桁行三間、梁間三間、一重、入母屋造、檜皮葺
- 祠堂(内陣):桁行一間、梁間一間、一重もこし付、入母屋造、檜皮葺
開山堂は、詰組・扇垂木・花狭間など、純正唐様ともいうべく造りが特徴的。
永保寺のもう1つの国宝である観音堂が、唐様建築と和様建築を折衷しているのとは対照的です。
また、礼堂と祠堂を相の間で繋げた形式は、日光東照宮や久能山東照宮に代表される「権現造」の原型ともいわれているそうですよ。
現地で開山堂と観音堂の造りを見比べてみると、唐様建築と和様建築の違いがよく分かって勉強になるかもしれませんね!
永保寺開山堂の場所【地図】
開山堂は、永保寺庭園内の臥龍池をぐるりと回った先の、少し奥まった場所にあります。
場所が場所だけに、観音堂と庭園に満足して、そのまま帰ってしまう観光客も少なくないようです。
僕もお参り前に下調べしていなかったら、開山堂の存在に気付かなかったかもしれません(笑)
開山堂のあたりは「僊壺洞(せんこぼら)」と呼ばれ、夢窓国師や仏徳禅師が山居していたとされる「盤礴庵」や「大包庵」があったそうです!
まとめ
最後までお読みいただきありがとうございます。
このページの要点をまとめました。
- 永保寺開山堂は明治34年に国宝指定された、室町時代初期の代表的な建築
- もう1つの国宝・観音堂とは対照的な、純正唐様ともいえる造りが特徴的
- 開山堂の場所は、名勝庭園の臥龍池をぐるりと回った先
立入禁止区域が多く、横からの姿(お堂の全景)を生で見られなかったのが心残りです。
内部拝観日に参拝できた暁には、後部の祠堂などもしっかり目に焼き付けようと思います!