落田中の一松(愛知県知立市)を見てきました。
在原業平がかきつばたの和歌を詠んだと伝わる場所。
業平が主人公のモデルとされる伊勢物語で、男が「沢のほとりの木の蔭におりゐて、乾飯食ひけり」とある場所でもあります。
今の松は二代目です。
以前は湿田の畦畔の上に自生していましたが、宅地造成に伴う埋め立てにより現在地に移されました。
葛飾北斎『諸国名橋奇覧』
日本各地のさまざまな構図の橋を描いた、北斎の「諸国名橋奇覧」シリーズから「諸国名橋奇覧 三河の八つ橋の古図」。現在の愛知県知立市にあったという八つ橋は「伊勢物語」に杜若の名所として詠まれています。北斎の生きた時代には、すでに失われてるので本図は想像で描いたもの。#橋の日 #THE北斎 pic.twitter.com/l2BuhBnI7A
— すみだ北斎美術館 (@HokusaiMuseum) August 4, 2021
江戸時代には天野信景の『塩尻拾遺』などで触れられ、業平池杜若・在原寺石塔などとともに八橋十景に数えられていました。
葛飾北斎の『諸国名橋奇覧』に描かれているのも、落田中一松だと言われています。
落田中とは|地名の由来
落田中は以前の地名です(現在は八橋町大流)。
一帯が低地で湿田が多く、逢妻男川が氾濫するたびに田が崩れていたため「田がくずれ落ちるところの中」から「落田中」と名付けられたと考えられています。
「おちたなか」あるいは「おちだなか」と読みます。一松の読みは「ひとつまつ」です
落田中の一松へのアクセス【地図】
- 住所:愛知県知立市八橋町大流27-93
- アクセス:三河八橋駅(名鉄三河線)から徒歩13分
落田中の一松は、かきつ姫公園の中に立っています。
今回は業平塚にお参りした後こちらにお邪魔し、八橋史跡めぐりを締めくくりました。
参考文献など
- 現地案内板「落田中の一松」(知立市教育委員会)
- かきつばたの名勝地 三河国八橋(八橋旧蹟保存会,2021)
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